聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                        詩篇 87

「主は、ヤコブのすべての住まいにまさって、シオンのもろもろの門を愛される。」
                    (詩篇 87:2)

 詩人は、「主は聖なる山に基を置かれる。」と賛美し、「主は、ヤコブのすべての住まいにまさって、シオンのもろもろの門を愛される。」と歌います。ところがすぐ続けて「わたしはラハブとバビロンをわたしを知っている者の数に入れよう。」という主のおことばを伝えます。主は“ほかの何よりもシオンを愛する”と宣言されながら、シオンつまりエルサレムの敵であるラハブすなわちエジプトも、ユダを捕囚としたバビロンも、ともに主を知る者とする、と言われるのです。そして、“世界のすべての者が主を賛美するようになる”、と言われます。神さまは二枚舌なのでしょうか。そうではありません。神との関わりにおいては、主からお前だけを愛すると言われる喜びを確信しながら、同時に神さまの愛がすべての人に及ぶことを願うようになるものです。人格の交わりの不思議さです。私の知っている指導者の中で、ネームレスの豊留真澄先生とアシュラムの指導者であった榎本保郎先生の周りには、「私が先生からいちばん愛されていました。」と言う人がたくさんいました。そういう方々は、榎本先生や豊留先生がほかの人々を愛されるのを共に喜んでおられました。私たちも主を知ることが深くなると、主は私をいちばん愛してくださっていると感じながら、同時に世界のすべての人々が主の愛を受けることを願うようになります。「私もそのような愛の交わりを、主との間に、そうしてすべての人にたいして、持てる者にしてください。」と祈りました。

                            唄野隆



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