聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                        詩篇 78

「私は、口を開いて、たとえ話を語り、昔からのなぞを物語ろう。」
                    (詩篇 78:2)

 「私は、口を開いて、たとえ話を語り、昔からのなぞを物語ろう。」というみことばが心に響いてきます。私たちは時々、むかし経験したことを今、新しいことのように思い巡らすことを通して、昔の経験の中に新しいことを発見することがあります。自分自身について、また主ご自身について。この詩人はそうしたのです。イスラエルの歴史を思い返して、自分たちの底知れぬ罪深さを新しく知りました。「エフライムの人々は、矢をつがえて弓を射る者であったが、戦いの日には退却した」ということから始まって、エジプトで、砂漠で、またカナンで、イスラエルは主を信ぜず、主に逆らったことを思い返し、それにもかかわらず、主がイスラエルを愛されたことを思い出しました。彼らが罪を犯すたびに、主は彼らを打たれしましたが、それは彼らに自分たちの誤りを悟らせ、主の救いを求めさせ、そのことを通して、主の恵み深さ、ご真実を知らせるためだ、と気づきました。こうして、彼らは、自分たちが主に選ばれたダビデの子孫だという自覚を再確認したのです。さらに、詩人は、この信仰的自覚を次の世代にも共有してもらいたいとの願いをもって、この昔からの「なぞ」を後の時代に語り告げようと決心しました。私もまた、知識としてはすでに知っているイスラエルの歩みを、子ども時代から今までの自分の生活を、また日本の歴史を、全く新しいこととして、主を前にして、思い巡らしてみようと思います。そうすることによって、自分自身を、今の日本での自分の召しを、そして主ご自身を、新しく発見したいのです。

                            唄野隆



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