聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 詩篇 77 「私は、主のみわざを思い起こそう。まことに、昔からのあなたの奇しいわざを思い起こそう。」 (詩篇 77:11) この詩人は大きな苦しみに取りつかれたようです。彼は「私は神に向かい、声をあげて、叫ぶ。私が神に向かって声をあげると、神は聞かれる。」と歌いだしました。主とのすばらしい信頼関係、親しい交わりが目に浮かびます。ところが、実は、彼はそういうときに不信感にとらわれたのです。彼は主に向かって叫びましたが、主の答えを聞くことができませんでした。彼は主に拒否されたように感じました。捨てられたのではないかと疑いました。信仰者が不信感に悩まされる、そんなことがあってよいのか、と思います。しかしそれが信仰生活の現実です。その中で、彼は「私は、主のみわざを思い起こそう。」と決心しました。そして、主が紅海の水を分けて「ヤコブとヨセフの子ら」、つまりイスラエルを贖われたことを思い返しました。水が沸きかえり、雷鳴が鳴りどよみ、地は揺れ動き、海の中に開かれた道を通って、イスラエルは救われました。その道は海水が元に戻ったとき跡形もなく消え去りました。どのようにして彼らが救われたのか跡付けることはできません。彼らが考えるような救いの進み方ではありませんでした。しかし彼らが救われたのは事実です。後の世の人がわかるのはその事実だけです。しかし、この詩人は、そのことを通して主がイスラエルを救われたことを確認しました。私も、わからない現実にぶつかったときも、静かに主の恵みを思い返して主を信頼しよう、自分の考えにとらわれることなく、ただ主を信じよう、と決心しました。 唄野隆 |