メッセージ

堺大浜キリスト教会聖書一日一章

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　詩篇　７０

「神よ。私を救い出してください。主よ。急いで私を助けてください。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（詩篇　７０：１）
　
　詩人は、「神よ。私を救い出してください。主よ。急いで私を助けてください。」と祈りだし、自分の命を狙う悪者が退けられ、主を慕う者が喜び、主をあがめるようにと願い、最後に「神よ。私のところに急いでください。あなたは私の助け、私を救う方。主よ。遅れないでください。」と祈りました。彼は、悪者を、“ひとのいのちを狙い、その不幸を喜び、苦しんでいる者をあざ笑う者”と言ました。私たちの世には、こういう人がたくさんいます。私は“悪者”になっていないか、ほかの人をどんな目で見ているか、と問われます。この詩人は、自分を取り巻く悪者たちを見、彼らが退けられることを願いましたが、それだけでなく、主を慕い求める者たちに目を留めました。そして、“彼らが、主の救いを愛し、彼の苦しみからの救いを見て、主にあって喜び楽しみ、主を賛美するように、苦しみの中にある自分を救ってください”、と祈りました。自分が苦しいから助けてくれ、という祈りではなく、主を慕い求める者たちが、主の救いを愛し、友の救いを見て喜び、主を恐れ、主を賛美することを求めて祈ったのです。友が喜び、感謝することを目指す祈りです。すばらしい祈りです。詩人は、こう祈った後に、「私は、悩む者、貧しい者です。神よ。私のところに急いでください。」と祈り、「あなたは私の助け、私を救う方。」と信仰を告白しました。そして、「主よ。遅れないでください。」と求めました。彼の思いの切実さが伝わってきます。この詩篇から、“お前の祈りはどういう祈りなのか”、と問われる思いがしました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　唄野隆