聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 詩篇 44 「起きてください。主よ。・・・立ち上がって私たちをお助けください。あなたの恵みのために私たちを贖い出してください。」 (詩篇 44:23,26) この詩篇は苦しみの中で主に救いを求める祈りの詩篇ですが、詩人は、まず、主が先祖たちに与えられた恵みを思い返して歌いました。“主は御手をもって、カナンの先住民を追い払い、先祖たちにその地を与えられた、彼等がその地を手に入れたのは彼等の力によったのではなく、主が彼等を愛し、主が彼等にその地を得させられたのだ”と歌い、「あなたこそ私の王です。ヤコブの勝利を命じてください。あなたによって私たちは、敵を押し返し、御名によって私たちに立ち向かう者どもを踏みつけましょう。」と信仰を告白しました。ところが、現実は思いもかけない敗北でした。彼は「それなのに、あなたは私たちを拒み、卑しめました。あなたはもはや、私たちの軍勢とともに出陣なさいません。」とうめき、“民は敗北し、食用として売られた羊のようなありさまです”と訴えました。それでも彼らは主に従うことをやめませんでした。思いがけない敗戦にもかかわらず、彼らの心はたじろがず、主の道から離れませんでした。もし彼らが主を捨て他のものに目を向けるようなことがあれば、主はすぐにそのことを知られるだろう、と言いました。しかし、自分たちはこんなに仕えているのにどうして、という不満に満ちた訴えではなく、素直に苦難を訴え、救いを求める祈りでした。親が応えず、親に叩かれても、ただ「助けて。」と親にしがみつく幼子のような信頼をもって主に訴えたのです。こんな信頼をもって祈る詩人を主はどんなに喜ばれたことでしょうか。 唄野隆 |