聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                        詩篇 28

「ほむべきかな。主。まことに主は私の願いの声を聞かれた。」
                   (詩篇 28:6)

 詩人は、「主よ。私はあなたに呼ばわります。私の岩よ。どうか私に耳を閉じないでください。私に口をつぐまれて、私が、穴に下る者と同じにされないように。」と祈りだしました。彼は、彼が主に呼ばわり、主が答えてくださる御声を聞くような親しい交わりをもって主とともに歩むことを願ったのです。ですから、「私の願いを聞いてください。」と懇願しました。吉川英治の『宮本武蔵』の中で、武蔵は、「神は崇めるべき御方、頼るべき御方ではない。」と言う場面がありますが、そういう疎遠な関係ではなく、「聞き、答える」親密な信頼関係をもって主とともに生きることこそが、聖書が示す、そして主が招いてくださっている人生なのです。そのことを覚えて、「感謝です。主よ。私にもそういう道を歩ませてください。」と祈りました。この祈りは、また、「どうか、悪者どもや不法を行う者どもといっしょに、私をかたづけないでください。」という祈りと結びついています。私たちは、数でものを考え、いろいろなものをいっしょくたに処理することになれていますが、聖書の神は、ひとりひとりを大切にし、ひとりひとりに「わたしの目にはあなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(イザヤ43:4)と言ってくださり、ひとりひとりを宝物のように大切にしてくださる神さまなのです。感謝です。この神さまを信頼し、主とし、主とともに歩むとき、この詩人とともに、「ほむべきかな。主。まことに主は私の願いの声を聞かれた。」と告白し、小躍りして喜び、歌をもって主を賛美することができるのです。

       唄野隆



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