聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                      ヨブ記 34章

「私の見ないことを私に教えてください。」
                    (ヨブ記 34:32)

ヨブは3人の友人たちとの論争でたまっていたものを吐き出してしまったので、落ち着きを取り戻したのでしょうか、エリフの激しいことばを黙って聞いていたようです。エリフは、厳しくヨブを攻めたのですがヨブが答えなかったので、つづけて話しました。まず、ヨブが、「私は正しい。神は私の正義を取り去った。・・・神と親しんでも、それは人の役に立たない。」と言った、と彼を責めました。そして、「神が悪を行うなど、全能者が不正をするなど、絶対にそういうことはない。」と言い、「いったい公義を憎む者が治めることができようか。」と反問しました。確かに、神は正義の神であるということは、すべての宗教や道徳の基礎です。後にパウロも「たとい、すべての人を偽り者としても神を真実な方とすべきです。」と言いました(ローマ3:4)。ヨブもそのことを否定するものではありませんでした。しかし、彼は、その原理と自分の現実のギャップをどう理解すればよいかわからず、もだえ苦しんでいたのです。その苦しみの深みはエリフにもわからなかったようです。このことを分かってくださるのは、「いたんだ葦を折ることもなく、くすぶる灯心を消すこともない」イエスさまだけです(マタイ12:20)。しかし、そのとき、わからないからと言って神を非難したり、自分の願いを神に押しつけるのでなく、「私の見ないことを私に教えてください。」と祈る謙虚な心が大切であることはエリフが言うとおりです。彼のことばを、わからないことに出会ったとき、そうせよ、との勧めとして受け止めました。

     唄野隆



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