聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                      ヨブ記 15章

「あなたは神の会議にあづかり、あなたは知恵をひとり占めにしているのか。」
                     (ヨブ記 15:8)

ヨブのことばを聞いて、エリファズは激しく反撃しました。“ヨブは無益なことばを吐き出す、彼は信仰を捨てた、祈ることをやめた、ヨブは罪に定められた、それはヨブのことばによる、私たちの責任ではない、ヨブは自分が何でも分かっていると言うのか、私たちの中にはヨブよりも老いた者がいる、私たちの先祖、知恵ある者は言う、善いことをすれば幸いを得、悪いことをすれば滅びる、悪人は苦難に遭う”。彼は、信仰とは善を行い柔和でいることだ、という先祖伝来の教えを奉じ、ヨブがそのような生き方の模範と言える歩みをしてきたと思っていたのに、その彼がこれほど激しく神さまに突っかかるようなことを口走るのを聞いて動転し、それは彼が信仰を捨てたからだ、彼のことばは祈りのことばではない、と断定し、私たちの教えはヨブの理解をはるかに上回っている、と対抗意識を燃え立たせ、ヨブを攻め立てました。ヨブの語ることばはエリファズが信仰だと思って受け入れてきた教えを根底から揺るがすような問題提起でした。ヨブは、なぜ善人が苦しみに遭い悪人が栄えるのかという疑問に逢着し、捨て身でその疑問を神にぶつけたのです。このヨブの祈りを神さまはどう聞かれたでしょうか。その苦しみに目をつぶり、伝統的な教えに拠りすがり、観念的な説明でごまかすようなエリファズたちに怒りを覚えられたことは後に示されます(42:7〜9)。苦しむ人に対してお前はどんな態度で接しているか、と問われているのを覚えます。

      唄野隆



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