聖書一日一章メッセージ集
堺大浜キリスト教会聖書一日一章 ヨブ記 12章 「安らかだと思っている者は衰えている者をさげすみ、足のよろめく者を押し倒す。」 (ヨブ記 12:5) ヨブの友人たちは、ヨブの出遭った災難のあまりのひどさを見て驚き、ヨブの苦悩を受け止めるよりも自分を納得させるための説明を求めたようです。神は良いことをする者を祝福し、悪いことをした者をさばかれるという教えに従って、こんなにひどい苦しみに遭うからには、ヨブに罪があるからに違いないと決めつけ、彼を悔い改めさせるのが友情だと気負いこんで、彼を説得しようとしました。自分たちの信じてきた教えを吟味しなおすなどというゆとりはありませんでした。しかし、そのような上から目線のことばでは、エリファズの助言も、ビルダデの教えも、ツオファルの勧めも、ヨブの心に届きませんでした。むしろあまりの見当違いの「お説教」にヨブは怒りさえ覚えたようです。ヨブは、ツオファルの勧めを聞くどころか、激しく反撃に出ました。「私にも、あなたと同様に、悟りがある。私はあなたがたに劣らない。」と対抗心を燃え立たせ、「私は、神を呼び、神が答えてくださった者であるのに、私は自分の友の物笑いとなっている。」と自分の方が神に近かった、と優位に立とうとしました。そして「安らかだと思っている者は衰えている者をさげすみ、足のよろめく者を押し倒す。」と彼等の高ぶった姿勢を批判しました。そして、自然界のすべては神が主権者であることを知っている、と論じたてました。しかし、その論戦もヨブの救いにはなりませんでした。主との関わりが成り立つまでは、私たちは救いを得ることができないことを覚えます。 唄野隆 |