創世記１５章

堺大浜キリスト教会聖書一日一章

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヨブ記　４章

「私の見るところでは、・・・。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヨブ記　４：８）

ヨブは、友のあつい愛に触れたとき、抑えに抑えていた苦しみを吐き出しました。しかし、それはあまりにも激しいもので、それを聞いた友のほうが受けとめきれなかったようです。友人のテマン人エリファズが激しく反応しました。“あなたは今まで他の人々を教え励ましてきた、それなのに、あなた自身に災いがふりかかると耐えられない、あなたは神を恐れているし潔白だと思っている、しかし罪がないのに滅びた者はない、不幸を耕し害毒を蒔く者がそれを刈り取るのだ”と論じたてました。ヨブにたいする尊敬を言い表し、ヨブの今までの歩みにたいする評価も語っています。しかし、良いことをすれば幸いを得ることができるが悪いことをすれば滅びるという世間一般に行きわたっている勧善懲悪の教えにとらわれ、それを基準にして､ヨブの激しい苦しみの表白をたしなめています。そして、自分の言い分を、人の世界や人の考えを超えた霊感にもとづかせて、「ひとつのことば」のささやき、また「ひとつの霊」からの声が、静寂の中で「人は神の前に正しくありえようか、人はその造り主の前にきよくありえようか。」と語りかけた、と言いました。ヨブの苦しみに同情し、何とかそこから救い出してやりたいという親切から出たものでしょうが、世間一般の常識、自分の知識や霊的経験によるアドバイスでした。しかし全く的外れでした。“自分の見方に捕らわれ、軽々しく判断せず、主の目をもって、苦しみにある人の思いを聞き、共に主を見上げる者でありたい、そうしよう、と思い、そうならせてください”と祈りました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　唄野隆