聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                       ヨブ記 3章

「その後、ヨブは口を開いて自分の生まれた日をのろった。」
                       (ヨブ記 3:1)

ヨブは正しく歩んでいたのに思いもかけない災いに遭いました。それでも、主にたいする信頼の姿勢を崩しませんでした。しかし、災難からくる苦しみだけでなく、妻にまで、「神を呪って死ねばよい。」とののしられる苦しみを経験しました。それでも、彼は主にたいする信頼を守りとおしました。そこへ、3人の友人が訪ねてきました。彼等はヨブの惨状を見て泣き、激しく悲しみを表わしましたが、どう慰めてよいか分からず、声もなく七日七夜、ただ黙って地に座っていました。その姿を見たとき、ヨブは押さえに抑えていた激情を吐き出しました。主を見上げて張り詰めていた緊張が人の情けに触れたとき、溶け去ったのでしょうか。ヨブは、自分が生まれてきたことを呪い、なぜ母の胎を出たとき死ななかったのかと嘆き、なぜ苦しみの中に置かれ、それでも死ねないのかと訴え、不安と恐れの中に苦しんでいることを告白しました。財産や家族、健康など自分の支えをすべて失い、生きる目標を見失ったときの苦悩でした。この苦悩には友の友情も救いにはなりませんでした。人の情けは緊張を解き苦しんでいる人の心の底にある思いを吐き出させることはできても、その人を本当に生かすことまではできません。しかし、主は、この苦しみの後、ヨブにご自身を顕わし、私たちの生を根底から支え、生きる究極の目標がご自身にあることを示してくださるのです。苦しんでいる人と出あったとき、愛をもって彼の痛みや悲しみを受けいれ、しかし、そこに留まらず、その人といっしょに主を見上げる者でありたいと思いました。

                          唄野隆



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