聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                     エステル記 4章

「あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、この時のためであるかもしれない。」
                    (エステル記 4:14)

ペルシャ帝国中に、ユダヤ人を滅ぼせとの勅令が発布されると、モルデカイは着物を引き裂き、荒布をまとい、灰をかぶって、わめき叫びながら王宮の門の前に来ました。エステルに連絡を取りたかったのでしょう。エステルは騒ぎを聞きつけ、使いを遣わしてモルデカイから事情を聞き、事態を知りました。モルデカイは王妃となったエステルがユダヤ人のために王にとりなしをするようにと指示したのですが、ペルシャでは、勝手に王の前に出るようなことをすれば、誰でも死刑にされることになっていました。王妃といえどもその例外ではありませんでした。ただ、王がその人に金の笏を差し伸ばせばその人は助かるという特例がありました。エステルは、“今は私は王に召されてはいない”とモルデカイに伝えましたが、モルデカイは、“自分は王妃だから助かると思うな、エステルが動かなければ、主は別の方法でイスラエルを救われる、しかしエステルも彼女の家も滅びる、エステルが今、王妃となっているのはこの時のためだったかもしれない”と告げました。深い信仰と強い気迫が感じ取れます。エステルは、“私は命をかけて王の前に出るから、ユダヤ人を集めて、断食し、祈っていて欲しい”と答えました。素晴らしい献身です。しかし、主がこのときのために自分をここにおいていてくださったのだと知って行動できるのは何と素晴らしいことでしょうか。私たちも、今このために生かされているのだという自覚をもって生きる者でありたい、と思います。

                          唄野隆



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