聖書一日一章メッセージ集



堺大浜キリスト教会聖書一日一章

                     2歴代誌 10章

「王は民の願いを聞き入れなかった。それは、かつてシロ人アヒヤを通してネバテの子ヤロブアムに告げられた約束を主が実現するために、神がそうしむけられたからである。」
                    (2歴代誌 10:15)

この章では、記録されていない事実からの語りかけを聞きました。アヒヤの預言はここでは明示されていません。ソロモンが死に、レハブアムが王になり、彼が民の要求を退けたので、イスラエルの民が離れて行き、ユダ部族だけがレハブアムの下に残ったことだけ記されています。それは、ソロモンが多くの妻たちに引かれて偶像礼拝に陥り主の怒りを買ったからであり、主はアヒヤを通してヤロブアムにイスラエル10部族を与え、ダビデ王朝にはユダだけが残ると告げられたのですが(1列王記11章)、それらのことはすべて省略されています。しかし著者はそれを無視したのではなく、イスラエルの歴史をよく知っていたバビロン捕囚からの帰還民には、沈黙からの語りかけがより深く心に響くと考えたからではないでしょうか。また、レハブアムが、ソロモン時代から彼に仕えた長老たちの“民に優しくし税を軽くしてやれ”と言う助言を退け、坊ちゃん育ちで生意気な若者たちの“あなたは父ソロモン以上の王だからソロモン以上に厳しく民を扱え”というおだてに乗って、民の離反を招いたいきさつを記しながら、レハブアムが主に聞こうとしなかったことには触れていません。こういう大事なことはまず主に聞くべきではないでしょうか。“目に見えるところにとどまらず隠された主の世界に目をむけること、語られたことばの奥の主のご本心に心を留めることも大事だ”と示されます。

                      唄野隆



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